【大連=原田逸策】中国の李克強(リー・クォーチャン)首相は2日、大連市内で講演し、外資が中国で金融事業を営む際の出資規制の廃止について、当初予定の2021年から20年に1年前倒しする方針を表明した。米中貿易協議で米国は撤廃の前倒しを求めており、6月末の米中首脳会談を受けて中国側が譲歩した可能性がある。
世界経済フォーラムが主催する夏季ダボス会議の開幕式で語った。
李氏は「証券、商品先物、生命保険の外資の出資規制の撤廃を2021年から1年前倒しする」と述べた。中国では銀行は外資が全額出資で運営できるが、証券や保険は中国企業との合弁でなければならない。外資は出資比率の過半を取ることができなかった。
中国は米中摩擦が激しくなった18年、証券や保険も外資の過半出資を認め、21年に出資規制そのものを撤廃する方針を表明した。ただ、米国は「なぜ出資規制の廃止まで3年も待たなければならないのか」(ムニューシン財務長官)などと前倒しを求めていた。
6月末の習近平(シー・ジンピン)国家主席とトランプ米大統領との首脳会談では、米国が3千億ドル(約33兆円)分の中国製品への追加関税を先送りする一方、5月に事実上決裂した米中協議を再開することで合意した。中国側は会談で出資規制撤廃の前倒しを伝えた可能性がある。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46838280S9A700C1MM0000/
2019-07-02 03:59:00Z
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