【香港=木原雄士】香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は26日の記者会見で、普通選挙の導入などデモ参加者の要求に応じない考えを改めて示し、自らの辞任も否定した。24日投票の区議会議員選挙で圧勝した民主派は「民意を無視している」と反発を強めている。26日には九龍半島の住宅街などで散発的な抗議活動があり、香港情勢が安定に向かうかは依然不透明だ。
区議選は民主派が85%の議席を獲得して圧勝した。林鄭氏は「政府への不満が影響した」と語り、一連の対応に問題があったと認めた。一方、警察の暴力行為を調べる独立調査委員会の設置などデモ参加者が掲げる「五大要求」には「すでに9月に回答した」と述べ、新たな対応を取る考えはないと明確にした。
代わりに過激な抗議活動が起きた原因や収拾策を探るため、専門家で構成する「独立検討委員会」の設置を進めるという。「中央政府から責任追及を求める指示は受けていない」として、区議選での親中派の大敗を受けた引責辞任を否定した。
一切の譲歩を拒む林鄭氏に民主派は反発を強めている。区議選で第1党に躍進した民主党の尹兆堅議員は「市民は警察の暴力に不満を表明した。林鄭氏は辞任すべきだ」と強調した。工党(労働党)の郭永健主席も「林鄭氏がいまだに市民の声を無視するのは疑問だ」と不満を示した。
区議選で歴史的な大敗を喫した親中派は動揺が続いている。親中派の有力紙・星島日報は26日、親中派から林鄭氏の辞任を求める声が高まっているとの記事を掲載した。ロイター通信は中国政府が香港情勢の判断を誤ったとして出先機関トップの王志民・駐香港特別行政区連絡弁公室主任の交代を検討していると報じた。中国は香港に隣接する広東省深圳市に「危機管理センター」を設け、習近平(シー・ジンピン)国家主席に毎日、報告書をあげているという。
香港政府は26日、抗議活動の影響で閉鎖中の九龍半島と香港島を結ぶ海底トンネルを27日朝から再開すると発表した。デモ隊がはがした歩道のレンガをアスファルトで埋め直すなど荒廃した街の復旧も徐々に進んでいる。だが林鄭氏が妥協を拒み続ければ、抗議活動が再び激しくなる可能性もある。
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2019-11-26 10:30:00Z
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