【香港=木原雄士】「逃亡犯条例」改正案をきっかけとする抗議活動が続く香港で31日、当局の許可を得ないままデモ行進が決行された。香港警察が30日までに民主活動家や立法会(議会)議員などを一斉に逮捕し、市民の反発が強まった。警察が違法なデモとみなして強制排除に乗り出す可能性もあり、緊張が高まっている。
警察は民主派団体が申請した集会とデモ行進を許可しなかった。主催者はデモを中止にしたが、SNS(交流サイト)などの呼びかけに応じて多くの若者らが香港島の中心部に集まった。宗教上の集会は当局の許可が要らないため、参加者は賛美歌を歌いながら幹線道路を行進した。これまでのデモと同様に、条例改正の完全撤回や、有権者が1人1票を投じる普通選挙の導入など「五大要求」を掲げた。
警察は30日までに民主活動家の黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏や周庭(アグネス・チョウ)氏に加え、民主派の立法会議員3人も逮捕した。議員らは大規模デモの際に参加者と警察の間に入って仲裁に動くなどしていた。
当局は中国出先機関の最寄り駅を閉鎖するなど厳戒態勢を敷いた。9月2日にはストライキや学生の授業ボイコットが呼びかけられている。不許可のままデモが決行されたことで、今後の行方は一段と見通しにくくなった。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49270160R30C19A8MM8000/
2019-08-31 08:04:00Z
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