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米朝なじり合い!“第二次朝鮮戦争”警戒 官邸周辺「米、韓国へ気兼ねなく北へ軍事力行使も」 北「米に報復する準備できている」 - ZAKZAK

米軍の「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の発射実験(米、ミサイル防衛局提供)

米軍の「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の発射実験(米、ミサイル防衛局提供)

 朝鮮半島情勢が緊迫している。非核化をめぐる米朝協議の停滞にイラ立つ北朝鮮がクリスマスにも、核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射に踏み切る危険性があるのだ。ドナルド・トランプ大統領率いる米国と、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長率いる北朝鮮による「チキンレース」。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の側近が「中国の核の傘入り」に言及するなど「レッドチーム入り」を示唆するなか、米軍の「北朝鮮への軍事作戦」へのハードルが下がっているとの見方もある。元米国防次官補も「第2次朝鮮戦争が起きる可能性が高まっている」と重大警告した。

 国連安全保障理事会は11日午後(日本時間12日午前)、北朝鮮の「核・ミサイル問題」に関する公開会合を開いた。

 議長国である米国のケリー・クラフト国連大使は、北朝鮮に非核化協議への復帰を促したうえで、「(弾道ミサイル発射は)射程にかかわらず明確な安保理決議違反だ」といい、北朝鮮が「深刻な挑発行為」を再開するなら「相応の行動を取る用意をしなければならない」と言及した。

 これに対し、北朝鮮外務省報道官は12日、米国が「圧迫の雰囲気」をあおったと非難し、「われわれがどの道を選ぶのか、明確な決心を下すうえで決定的なきっかけを与えた」「相応の対応を取る準備ができている」と、ICBM発射再開も辞さない姿勢を強くにじませる談話を発表した。朝鮮中央通信が伝えた。

 北朝鮮が、一方的に米朝協議の「交渉期限」とした年末に向けて、朝鮮半島情勢は一層緊迫しそうだ。

 世界最強の米軍は、軍事偵察衛星や、さまざまな偵察機を朝鮮半島周辺に飛ばして北朝鮮の動向を探る一方、「死の鳥」と恐れられるB52戦略爆撃機を日本周辺まで飛行させ、「北朝鮮への間接的警告」を行った。

 さらに、米国防総省は12日、地上発射型の中距離弾道ミサイルの発射実験を実施したと発表した。実験は、米西部カリフォルニア州のバンデンバーグ空軍基地で行われ、弾道ミサイルは500キロ以上飛行して、海に着水したという。「中国やロシアに対抗するため」と報じられたが、時期から見て、北朝鮮も意識しているのは間違いない。

 ■文政権の対応が半島危機を加速

 前出の国連安保理の公開会合で、韓国の趙顕(チョ・ヒョン)国連大使は「北朝鮮が国連安保理決議の義務を履行すると同時に、朝米(米朝)対話に乗り出すことを強く促す」と語った。聯合ニュースが伝えたが、文政権の対応が、朝鮮半島危機を加速させているとの指摘もある。

 日本の官邸周辺は「トランプ大統領が以前、『最近、韓国は北朝鮮からも連絡がないみたいだ。信頼されていないんじゃないか』と語っていたが、意味深長な発言だった」といい、解説した。

 「北朝鮮は、米朝協議をめぐる文政権側の情報・分析が間違っていたため、距離を置いた。一方、トランプ政権も文政権をまったく信用していない。『北朝鮮は戦略的な敵だが、韓国の左派政権(文政権)はもっと問題だ』という意見すらある。実は、トランプ政権が、米朝協議から韓国を引き剥がした。米国主導で締結した日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)をめぐる一連の問題でも、トランプ政権は一貫して日本側に立っていた」

 そのうえで、中国の王毅国務委員兼外相が訪韓していた今月4日、文大統領のブレーンである、文正仁(ムン・ジョンイン)大統領統一外交安保特別補佐官が国際会議で、「もし、北朝鮮の非核化が行われていない状態で在韓米軍が撤退したら、中国が韓国に『核の傘』を提供し、その状態で北朝鮮と非核化交渉をするという案はどうだろうか?」(朝鮮日報)と語ったことを指摘した。

 ■元米国防次官補が気になる発言 「発射台破壊」など軍事攻撃令用意

 前出の官邸周辺は「レッドチーム入りしたい文政権の本音であり、同盟国・米国への裏切りといえる。文政権は先月末、『GSOMIAの当面維持』を発表したが、もし、破棄していたら在韓米軍撤退の流れは加速しただろう。米韓の距離が広がることは、トランプ政権が気兼ねなく『北朝鮮への軍事作戦』を決断する可能性が高まる」と語った。

 こうしたなか、元米国防次官補による気になる発言があった。

 政治学者で、クリントン政権の国防次官補を務めたグレアム・アリソン米ハーバード大教授は12日、日本アカデメイア第1回「東京会議」で、北朝鮮の核ミサイル問題をめぐり、「非常に危険な展開」「第2次朝鮮戦争が起きる可能性が高まっている」と警告したのだ。

 アリソン氏は、北朝鮮が核実験やICBM発射を続けた2017年11月までの状態に復帰した場合、トランプ氏が「ミサイル発射台破壊」など軍事攻撃を命じる用意があると指摘。「第2次朝鮮戦争」に進む確率は「50%以上ではないが、かなり大きな可能性がある」と語った。

 北朝鮮の弾道ミサイルは、日本全土を射程内に入れている。早急な対応が必要だ。

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2019-12-13 06:30:35Z
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