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「国、都のやり方おかしい」 田中良・杉並区長、たばこ規制にもの申す(DANRO) - Yahoo!ニュース

2020年夏の東京オリンピック・パラリンピックを前に、東京都は喫煙ルールを大きく変えます。18年6月に成立した「東京都受動喫煙防止条例」は、翌7月に成立した国の「改正健康増進法」よりも厳しい内容です。

【イラスト】東京都受動喫煙防止条例の概要

条例は、改正法と同じくすでに一部施行されています。病院や区役所などの行政機関は、屋内で完全禁煙に。ただ、国会議事堂や裁判所は“行政機関”ではないため、喫煙ルームでの喫煙はOK。役所などよりも規制が緩くなっています。

飲食店は「全面禁煙」「喫煙室あり」など、対応を店頭に示すことが19年9月から義務化。20年4月からは、従業員がいる飲食店は、原則として禁煙とするか喫煙室の設置が必要となります。こうした都の方針に歓迎の声が上がる一方で、飲食店主や愛煙家を中心に「客が減る」「実態に即していない」と否定的な意見もあります。

こうした国や都によるたばこを規制する流れに、異を唱えている人がいます。東京都杉並区の田中良区長(57)です。進む「たばこの規制」について、どう考えているのか話を聞きました。

やり方が集権的、非科学的だ

――国の法律と都の条例について、どう思いますか?

田中区長:受動喫煙の防止自体にはもちろん賛成で、ルール作りも結構です。でも、今回のやり方には大反対。東京都であれば、大手町のオフィス街から自然豊かな多摩地区、さらには小笠原などの島嶼(とうしょ)部までありますが、すべて一律のルールで規制するわけです。立地環境が全然違うのに、一緒くたにルールを決めたら、いろいろと矛盾が出てくると思います。

――どうしたら良かったと思いますか?

田中区長:国の法律で受動喫煙防止という目標・方針を決めるのはいいけれど、具体的な計画は各自治体が作って、市町村や区が条例で決めるという進め方をするべきです。そのほうが現場の状況に応じたルールが作れますから。ビジネス街や住宅街、農地など、立地環境に基づいたルール作りをすべきで、それを国や都は予算の面などでバックアップすればいい。

そもそも小池さん(=小池百合子都知事)は90年代に日本新党から出馬して国会議員になったんですが、その時、同党は“地方分権”を旗印にしていたんですよ。もっと権限を地方に移すべきだと主張していた人が、たばこを吸う場所まで都のルールで強制的に決めようとしているのはおかしい。やり方が集権的すぎるし、非科学的です。

――喫煙ルールについて、ほかにおかしいと思うことはありますか?

田中区長:市役所や区役所は室内に喫煙室を作っちゃいけないのに、国会議事堂は作っていいというのも、よく分からない。国会の議決で法律を決めておきながら、自分たちは対象外にするわけだから。国会には子供たちが毎日のように社会見学で来ていますよ。区役所の中にあった喫煙ルームは、今は全部撤去して屋外に喫煙所を作り直しました。

――田中区長は、たばこを吸うんですか?

田中区長:20年ぐらい吸っていたんですが、10月末に一時的に体調を崩して以来、控えています。喫煙ルールに口を出すと、「区長はヘビースモーカーだから」と言う人がいますが、吸っていた時期でも1日10本ぐらいで、決してヘビースモーカーではない。そもそも私自身が吸うか吸わないかで政策を判断したり、決定するようなことはありません。

――区長室に灰皿が置いてあったと問題視する声がありましたが?

田中区長:以前、区長室の応接間に、お客さんが吸いたければどうぞと思って灰皿を置いていました。しかし、屋外の喫煙所以外では吸ってはいけないわけですから、灰皿は撤去して、今は吸いたいお客さんが来たら屋外の喫煙所を案内しています。

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2019-12-30 04:11:57Z
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