イギリスを国賓として訪問中のドナルド・トランプ米大統領は3日、バッキンガム宮殿でエリザベス女王主催の晩さん会に出席し、米英両国の「永遠の友情」をたたえた。
これに対し女王は、「両国民の安全と繁栄を何十年間も」維持してきた同盟関係を強調した。
イギリス到着の直前、ロンドンのサディク・カーン市長をツイッターで「負け犬」と呼ぶなどしたトランプ氏だったが、晩さん会のスピーチでは第2次世界大戦における英国民の勇気を称賛。女王を「偉大な、偉大な女性」とたたえた。
そして、「両国民の永遠の友情と、両国の活力、長きにわたって愛され実に見事な女王陛下の在位」への乾杯を呼びかけ、スピーチを締めくくった。
一方、女王は、「紛争の恐怖を二度と繰り返さない」ことを目的とする国際機関の創設に、両国が果たした役割を称賛した。
王室の歓迎に感激晩さん会に先立ち、トランプ氏はツイッターで、王室の歓迎ぶりを「素晴らしい」と表現。イギリスとの関係は「非常に強固だ」と述べた。
トランプ氏はまた、イギリスが「足かせ」を外しさえすれば、欧州連合(EU)離脱後の貿易に関して、両国は取引ができると表明。「協議はすでに始まりつつある!」とツイートした。
下院議長らは欠席晩さん会には、ケンブリッジ公爵ウィリアム王子夫妻や、イギリス在住の著名アメリカ人なども出席した。
5月に第1子アーチーを出産したサセックス公爵夫人メガン妃は、産休のため晩さん会には出席しなかった。メガン妃に対しては、トランプ氏が「nasty」(いやな)と評したと報じられたが、同氏は2日、この報道を否定。ただ、同氏の「悪口」は録音が残っている。
議会下院のジョン・バーコウ議長と労働党のジェレミー・コービン党首、自由民主党のサー・ヴィンス・ケーブルも晩さん会を欠席した。コービン氏は、4日にロンドンで開かれる大規模デモに加わり、演説を予定している。
コービン氏は3日、「ドナルド・トランプ大統領の国賓訪問に対する明日のデモは、彼がアメリカや世界各地、そしてこの国で攻撃対象としてきた人たちと連帯する機会だ。その人たちには、今朝攻撃されたばかりの、サディク・カーン氏も含まれている」とツイートした。
ロンドン市長を「負け犬」呼ばわりトランプ氏はカーン氏について、ロンドン市長として「ひどい仕事」ぶりだとツイッターで酷評。「イギリスにとってどの国よりも大事な同盟国のアメリカ大統領が訪問中なのに、愚かにも『いやな』態度をとった。完全な負け犬で、僕に構うよりロンドンの犯罪対策に専念すべきだ」と書いた。
これに対しカーン氏の報道官は、「幼稚な侮辱」は米大統領にふさわしくない振る舞いだと反論。「サディクは、ロンドンとこの国の進歩的な価値観を体現している。ドナルド・トランプ大統領については、世界で拡大しつつある極右の脅威の最悪の例だと警告している」と述べた。
英閣僚の意見は割れている。ジェレミー・ハント外相は、カーン市長によるトランプ氏批判は「きわめて無礼」だと非難した。一方で、マット・ハンコック保健相は、米大統領の職に敬意を払うと同じようにロンドン市長の職にも敬意を払うべきだと述べた。
BBCのジェームズ・ランデール外交編集委員は、リベラルなイスラム教徒のカーン氏をトランプ氏が「口撃」するのは、来年の大統領選をにらんで、アメリカのトランプ支持者たちを意識した行動でもあると説明する。
トランプ氏の公式訪問に対して、イギリス国内の複数として大規模な抗議行動が予定されている。ロンドンでは「国家的デモ」が午前11時から、バッキンガム宮殿や首相官邸に近いトラファルガー広場で開かれる予定。
チャーチル元首相の著書を贈呈3日正午過ぎにバッキンガム宮殿にヘリコプターで到着したトランプ氏に対し、エリザベス女王は元英首相、サー・ウィンストン・チャーチルの著書「第二次世界大戦」(1959年出版)の初版本と、デュオフォールドのペンの3本セットを贈呈。メラニア夫人には銀の箱を贈った。
トランプ氏は3日間の予定で訪英。5日にはノルマンディー上陸作戦75周年の記念式典への参加も予定している。
(英語記事 Trump praises 'eternal friendship' of US and UK)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190604-48508282-bbc-int
2019-06-04 08:40:00Z
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