香港デモ隊、立法会突入＝逃亡犯条例改正案「完全撤回」訴え - 時事通信ニュース

2019年07月01日22時32分

香港返還２２年に当たり、逃亡犯条例改正案の完全撤回を求めて行われた大規模デモ＝１日午後、香港島

　【香港時事】香港の英国から中国への返還２２年に当たる１日午後、民主派団体「民間人権陣線」が大規模デモを展開した。香港で身柄を拘束した容疑者の中国本土への移送を可能にする逃亡犯条例改正案の「完全撤回」を訴え、香港島中心部を行進。一部が同日夜、立法会（議会）の建物内になだれ込んだ。

〔特集〕香港・逃亡犯条例改正問題

　香港では毎年、返還記念日にデモが行われ、「一国二制度」の堅持や中国共産党への批判と合わせ、時々の政治課題が取り上げられるのが恒例だ。香港政府は６月、抗議行動の高まりを受けて、改正案の審議の無期限延期を発表したが、反対派はあくまで完全撤回を要求している。

逃亡犯条例改正案の「完全撤回」を求める市民に破壊された立法会（議会）のガラス＝１日午後、香港

　また、政府トップの林鄭月娥行政長官の引責辞任や、先月の大規模な抗議行動時に警察が催涙弾などで実力行使したことへの責任追及を求めており、反発は収まっていない。
　デモに参加した女子学生（２２）は「延期ではなく撤回を求める気持ちは変わっていない。でも、今は何より、社会が分裂している状況が早く終わってほしい」と話した。