【香港=藤本欣也】香港で行われた元日デモで目についたのは、「香港独立」の主張だった。昨年10月以降、「中国共産党滅亡」を掲げるスローガンが増えていったが、それに続く新たな潮流といえるものだ。特に抗議活動を主導する若者の間で独立への支持が浸透し始めている。中国の強硬な介入を招きかねない過激な主張なのだが、民主派勢力にとっても簡単に排除できないジレンマがある。
「一国二制度は時限爆弾だ! 中国を信用できないのに、どうして一国二制度を信用できるというのか」
元日デモが行われた1日、香港島の繁華街、銅鑼湾(コーズウェイベイ)で「香港独立」の旗をバックに、鄭侠(てい・きょう)氏(38)がデモ参加者らに訴えていた。
香港独立派のリーダーの一人である鄭氏に、「香港で独立を支持する市民は少ないのでは」と質問すると、「独立を求める声は若者を中心に広がっている。これからだ」と反論した。
確かに1日のデモ行進では、香港独立の旗だけでなく、「香港独立が唯一の活路だ」といったシュプレヒコールも起こっていた。通り沿いの停留所などには、「真の普通選挙を実現するには独立しかない」「中共滅亡、香港独立!」といったスローガンも多数、殴り書きされていた。
これまでのデモでも香港独立を求める声やスローガンはあったが、それほど多くなく目立たなかった。
香港政府は独立の主張について、「香港は中国の不可分の一部」と定めた基本法(憲法に相当)に違反するとの立場だ。2018年には、独立を掲げる「香港民族党」を非合法化した。国家分裂行為を厳しく取り締まる中国当局の意向を受けた措置とみられている。
独立に関する一般市民の反応は-というと、「難しいと思う」(49歳男性)「まずは5大要求の実現」(50代女性)「独立より、真の一国二制度を求める」(30代男性)と冷ややかだ。昨年10月の世論調査でも、「香港独立に賛成しない」が83%を占めている。
ただ、鄭氏が主張するように、若者の間では独立支持が少なくない可能性がある。1日のデモに参加した10代の中高校生4人に「独立要求をどう思うか」と聞くと、即座に「支持する」との答えが返ってきた。一連の抗議活動を主導するのは10、20代の若者たちだ。
香港の政治評論家の劉鋭紹(りゅう・えいしょう)氏は「中国当局が『香港独立』の主張を口実に、香港の自由をさらに圧迫する可能性がある」と警鐘を鳴らす。しかし、民主派としても独立の声を簡単に排除できないわけがある。
昨年来の抗議活動では、「仲間割れしない」という不文律が参加者の間で共有されているためだ。14年の民主化運動「雨傘運動」は路線対立によって行き詰まったとも指摘されている。
1日のデモに参加した民主党の盧俊宇(ろ・しゅんう)屯門区議会議員(37)は、今回のデモで独立の主張が目立ったことについて「一国二制度が信用を失ったからだ。理解できる。意見は異なるが尊重したい」と話した。
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2020-01-02 11:40:36Z
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