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ブルームバーグは打倒トランプの救世主か、民主主義を破壊する億万長者か - Newsweekjapan

<目立った選挙活動なしでも巨費を投じた広告で存在感を維持──ニューヨーク市長時代も金にものをいわせたこの男の「必勝戦略」とは>

前ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグは今年の米大統領選で、今のところ「陰の候補」だ。民主党の候補者討論会には参加していないし、もうしばらくは予備選にも顔を出さない。

でもテレビをつけたりフェイスブックのページを開いたりすると、嫌でも彼の顔が目に飛び込んでくる。ブルームバーグ陣営は今も選挙広告に巨費を投じている。だから指名争いの前半戦をパスしても、この男の存在感は強い。

この億万長者は、本当のところは何を考えているのか。10年以上前から政治家ブルームバーグを追い掛けてきたアトランティック誌記者のエドワードアイザック・ドベールにニューヨークのラジオパーソナリティー、マリー・ハリスが話を聞いた。

◇ ◇ ◇

──ブルームバーグは以前から大統領選への出馬を検討していた。今回は今までの例とどこが違う?

ブルームバーグが最初に大統領選を意識したのは、2005年にニューヨーク市長として再選を果たした頃だ。2007年に共和党を離れて無所属になったのも、翌年の大統領選出馬に向けた布石だった。

陣営のスタッフは国内各地を回り、出馬の第一歩を踏み出すのに必要な準備を整えた。結果的に出馬はしなかったが、いつでも出馬できる準備はできていた。2012年にも一部で出馬の可能性がささやかれたが、これもお茶を濁した程度で終わった。

──でも前回、2016年には、選挙広告の文言まで用意していた。

2016年の大統領選では、出馬に向けた本気の計画ができていた。彼は、ドナルド・トランプが共和党の有力候補を次々に倒していくのを見ていた。一方で、民主党の本命ヒラリー・クリントンに何かが足りないことにも気付いていた。だからブルームバーグは本気で出馬を検討した。

──でも当時の作戦は型破りで、無所属で立候補して善戦し、最後は議会の判断を仰げばいいと考えていた。

そのとおり。無所属の候補として可能な限りの選挙人を獲得して、最後は連邦議会下院の投票に委ねるという作戦だった。憲法の定めにより、本選挙で誰も選挙人の過半数(270人以上)を獲得できなかった場合、決選投票は下院に委ねられる。まず下院議員が出身州ごとに単一の候補者を選ぶ。そして1つでも多くの州で選ばれた者が、晴れて大統領となる仕組みだ。

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2020-02-19 06:50:00Z
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