【コロンボ=森浩】スリランカの最大都市コロンボで21日に起きた連続テロをめぐっては、スリランカ政府がテロが起きる可能性を示した情報を入手しながら共有されず批判が集まっている。政権内部の対立が情報共有を妨げた格好だ。
ロイター通信や地元メディアによると、インドの情報機関は4日、20日、21日の3回にわたってスリランカ側に教会やホテルがターゲットとなるテロの可能性を伝達していた。インド側は身柄を拘束したイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)関係者から情報を入手しており、具体的にスリランカのイスラム過激派「ナショナル・タウヒード・ジャマア(NTJ)」の関与や指導者のザフラン・ハシム容疑者の名前も明示された。
だが、詳細な情報は共有されず、事件は防げなかった。ウィジェワルダナ国防担当相は24日の会見で「情報共有で過失があった。政府は責任を取る必要がある」とコメントした。
共有を阻害した要因として指摘されるのが政権内の対立だ。シリセナ大統領とウィクラマシンハ首相は関係が悪化しており、シリセナ氏は昨年10月に大統領権限で首相解任を決定し、議会も解散した。しかし、最高裁は一連の措置を違憲と判断、ウィクラマシンハ氏は1カ月半後に首相に復帰した。
だが、昨年秋の政変以降、ウィクラマシンハ氏は治安問題を協議する国家安全保障会議への出席も許されていない。泥沼の対立は双方の分断を招いており、「治安問題で迅速な意思疎通ができる状況ではない」というのが主な見方だ。
シリセナ氏は国防次官と警察トップに辞任を求め、組織の刷新に着手したが、政権の溝が埋まらない限り、組織運営の改善につながるかは未知数といえる。
https://www.sankei.com/world/news/190425/wor1904250033-n1.html
2019-04-25 09:04:00Z
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