【ワシントン=中村亮】米ホワイトハウスは8日、イラン革命防衛隊を「外国テロ組織」に指定すると発表した。他国の特定の機関をテロ組織に指定するのは初めて。周辺国の武装勢力に武器や資金を提供して中東情勢を不安定にする主体だと判断した。イラン側は反発しており、中東情勢の混乱に拍車がかかる可能性がある。
記者会見するポンペオ米国務長官（8日、ワシントン）=AP
米政府はすでにイランを「テロ支援国家」に指定しているが、トランプ米大統領は同日の声明で「イラン政府は革命防衛隊を主に使って、世界規模のテロ活動を指揮し、実行している」と非難した。
イランに対する経済制裁などを念頭に「最大限の圧力の範囲と規模が格段に大きくなる」と強調した。革命防衛隊は国軍とは別に組織された精鋭部隊で、独自の陸・海・空軍を傘下に収める。イラン企業の後ろ盾になり経済活動にも大きな影響力を持つ。
ポンペオ米国務長官は8日の記者会見でイランでのビジネスについて「リスクが高まる」と警告した。イランとビジネス関係を維持しようとする欧州諸国をけん制する狙いがある。ただ米政権はすでに革命防衛隊の関係組織などを制裁対象に指定しており、経済へのさらなる打撃は小さいとの見方もある。
米政府の発表後、イラン側は反発した。ロイター通信はイラン国営メディアが米国の決定について「（国際）法に反している」との声明を発表したと伝えた。米国はこうした反発に備えている。米メディアによると、トランプ政権はシリアやイラクなどに展開する米兵に対して、イランの対抗措置に注意するよう近く警戒を促す。
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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43504480Z00C19A4FF8000/
2019-04-08 15:32:00Z
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