【ニューヨーク=上塚真由】政情不安が続く南米ベネズエラで1日、暫定大統領就任を宣言した野党連合出身のグアイド国会議長の呼びかけによる反政府デモ集会が開かれた。グアイド氏は4月30日に独裁的なマドゥロ大統領に対する蜂起を呼びかけたが、政権に忠誠を誓う軍の大規模離反は起きていない。蜂起2日目もデモ隊と政権側の治安部隊との衝突が続き、現地からの報道によると、女性1人が死亡、50人以上が負傷した。
グアイド氏は、数千人が集まった首都カラカスでの集会で「自由を取り戻すまで街頭に出続けよう」と述べ、マドゥロ政権退陣への闘争継続を支持者に訴えた。この蜂起呼びかけに対しマドゥロ氏側の出方が注目されたが、グアイド氏は拘束されていない。
一方、政権側もカラカスでメーデーの大規模行進を実施し、マドゥロ氏が演説で「クーデターの試みは打ち倒された」と強調。「ジョン・ボルトン(米大統領補佐官)がクーデターを指揮した」と述べ、グアイド氏の背後に米政府がいると改めて非難した。
マドゥロ政権と、グアイド氏側の対立は再び膠着状態に陥り、後ろ盾の米露の対立も激しくなっている。ポンペオ国務長官は1日にロシアのラブロフ外相とベネズエラ情勢について電話会談を実施。ロイター通信などによると、ポンペオ氏はロシアの介入がベネズエラの混乱を招いていると指摘し、ラブロフ氏も米国が「内政干渉している」と応酬した。
また米国防総省は1日、シャナハン国防長官代行がベネズエラ問題などへの対応のため、2日から予定していた欧州歴訪を取りやめたと発表した。
https://www.sankei.com/world/news/190502/wor1905020021-n1.html
2019-05-02 08:09:00Z
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