【ワシントン=中村亮】2016年の米大統領選へのロシアの介入疑惑を巡る捜査が22日、終結した。近く議会に概要が説明される捜査報告は、ロシアとの共謀や捜査妨害などの不正行為へのトランプ大統領や選挙陣営の関与の有無を明らかにする見通しだ。野党・民主党は疑惑解明に向けて報告書の全面公開を求めており、公開範囲を巡る綱引きも激しくなる見通しだ。
2年に及ぶ捜査をまとめた報告書の扱いは司法省の判断に委ねられる。報告書を受け取ったバー司法長官は22日、捜査結果の「主要な結論」を週末にも議会に報告すると説明。一般への公開についても「できる限り透明性を確保する」と強調した。
最大の関心はトランプ氏自身の不正行為への関与だが、司法省は(1)現職大統領の起訴は望ましくない(2)起訴しない人物の名誉を傷つけない――との原則を維持してきた。トランプ氏本人が疑惑に関わったかについては明らかにされないおそれがあるとの指摘がある。
手続きに詳しいスティーブン・ベイツ米ネバダ大准教授は「どこまで公開されるかは、原則としてバー司法長官の判断次第だ。報告書自体も詳細なものである必要はない」と話す。
トランプ氏はかねて疑惑を全面否定しており、捜査そのものを批判してきた。報告書で関与が明確に示されなければ「潔白が証明された」と強調し、政権運営に追い風になるとみる。
一方、民主党のペロシ下院議長と上院トップのシューマー院内総務は22日の声明で「バー長官は報告書の全てを公開し、資料や結果を議会に提供することが不可欠だ」と全面公開を求めていく考えを強調した。同党は報告書を突破口にトランプ氏の不正行為を明らかにして弾劾手続きも視野に入れる。弾劾にいたらない場合でも、報告書で新たな疑惑が明るみに出れば、20年の大統領選に向けてトランプ氏に打撃を与えられると見る。
下院で多数派をしめる民主党は独自の調査も加速させる方針だ。特別検察官が進めた捜査結果などを使い、下院で疑惑を調査する特別委員会を立ち上げることも検討する。ウォーターゲート事件では議会の調査が充実し、4000ページを超える文書を公開してニクソン元大統領の疑惑に迫っており、不正追及は議会に舞台を移す可能性がある。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42837670T20C19A3EA2000/
2019-03-23 12:41:00Z
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