英、再国民投票求めデモ離脱撤回署名460万件に - 日本経済新聞

【ロンドン=中島裕介】英国の欧州連合（EU）離脱の来月以降への延期が確実になるなか、2度目の国民投票を求める市民による大規模なデモ行進が23日、ロンドン市内で行われた。参加した人々は「EU離脱の撤回を」「国民にもう一度選択のチャンスを」などと英政府に訴えながら、市街地を行進した。

デモ行進の先頭にはEU残留派の議員やカーン・ロンドン市長の姿も見られた（23日、ロンドン）

デモには野党の労働党やスコットランド民族党などのEU残留派の議員や、カーン・ロンドン市長も参加。デモの主催者によると参加者は100万人を超え、前回の2018年10月のデモの70万人を上回ったという。

市民らの声やプラカードのメッセージには混迷を打開できない英政府への不満が目立った。自営業のダニー・ヘンダーソンさん（52）は「政権は離脱案を2回否決され、来週には3回目の採決にかけようとしている。なぜ2回目の国民の声は聞こうとしないのか」と不満を訴えた。

英議会の専用サイトにはEU離脱の撤回を求める国民からの嘆願がここ数日、急ピッチで集まっている。21日のEU首脳会議の最中に100万件に達した署名は、英時間の23日の午後8時現在で460万件にまで伸び、増え続けている。

EUは21日の首脳会議で、25日の週に英議会がメイ首相の離脱案を承認した場合には、5月22日まで離脱を延期することで合意した。可決できなかった場合には英が4月12日までに事実上、「長期延期」か「合意なき離脱」の選択を迫られることも固まった。現段階で再国民投票は議会の過半数の支持を得ていないが、「長期延期」になった場合には有力な選択肢となりそうだ。

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