国土交通省が14日、墜落事故が相次ぐ米航空大手ボーイングの旅客機「737MAX」の日本領空での運航を禁止し、国内航空会社の経営戦略にも影響が及ぶ恐れが出てきた。今年1月、同機を最大30機導入する方針を発表したANAホールディングス(HD)は当面、事態を注視する考えだが、原因究明に時間がかかれば、新たな機種の調達や路線計画の見直しを迫られかねない。
■地方の主役
ANAHDへの737MAXの納入時期は2021~25年度とまだ時間があり、同社は「状況を注視していきたい」(広報)としている。現段階では、導入の見送りは判断していない。
小型のボーイング737型機は、短い滑走路しかない空港にも就航できるため、国内では地方路線の主役となっている。そのシリーズの中で最新鋭となる737MAXは、燃費性能も向上しており、航空会社の期待は高かった。実際、スカイマークも一時、同型機の導入を検討していた。
ただ、過去に新機種の不具合で、大きな影響を被った例がある。13年に当時の最新鋭機だったボーイング787型機が、搭載されたリチウムイオンバッテリーから出火の危険性があるとして約5か月にわたって世界的に運航停止となり、日本航空では、新規路線への就航が遅れるといった事態に追い込まれた。
「原因究明が長期化すると、ANAHD以外の航空会社の機種選定などにも影響が出てくる可能性がある」(国交省関係者)との声も出始めている。
■相次ぐ懸念
国内の航空会社が導入する新機種を巡っては、737MAX以外でもさまざまな懸念が出ている。
三菱航空機が開発している「MRJ(三菱リージョナルジェット)」は、全日空グループが最大25機、日本航空が32機を発注している。だが、MRJはこれまでに初号機の納入延期が相次ぎ、20年半ばに予定する納入時期がさらに遅れれば、就航路線の計画などにも影響が出る恐れがある。
また、全日空はエアバスの超大型機「A380」を3機導入し、ハワイ・ホノルル線に投入する予定だ。ただ、エアバスは今年2月、受注の低迷するA380の生産打ち切りを発表した。
ANAHDの片野坂真哉社長は2月の記者会見で「(エアバス社から)部品の供給やバックアップは弱めることはないと説明を受けた」とした。だが、大手航空会社の関係者からは「生産停止となると、部品が手に入りづらくなり、長期的に保守にかかる費用が増えることにもつながるだろう」との指摘も出ている。
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20190314-OYT1T50457/
2019-03-14 20:00:00Z
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