【ワシントン時事】米ボーイングの新型旅客機「737MAX」の相次ぐ墜落事故をめぐり、運航停止命令で後手に回った米連邦航空局(FAA)の威信が揺らいでいる。
これまではFAAの安全指針が各国航空当局の「手本」となってきたが、エチオピアでの事故後には中国が世界で最初に新型機の運航停止を決定。空の国際規制をめぐる米中の覇権争いも見え隠れする。
FAAは13日、昨年10月にインドネシア、今月10日にエチオピアで起きた同型機の墜落事故に関し、飛行データなどに「類似性」があるとして運航停止を決めた。前日まではシステムに問題があることを示す証拠がなく「停止命令を出す理由がない」と説明していたが、方針を一転させた。
737MAXへの対応で異例だったのは、各国当局や航空会社が次々に運航停止を決める中、事故機製造国の当局であるFAAの決定が遅れたことだ。中国は事故翌日に停止を命じ、欧州連合(EU)や中東など全世界にドミノ倒しのように広がった運航停止の流れをつくった。
FAAのエルウェル長官代行は「われわれはデータに基づいて安全性を判断する機関だ」と強調。エチオピアの事故機が衛星と数秒ごとにやりとりした飛行データや事故現場の分析などで得られた「新たな証拠」は、13日になって入手したと対応の妥当性を主張した。
エルウェル氏によると、米国より先に運航停止を決めた各国当局は「事故機に関するデータを入手していなかった」が、原因究明前の「予備的な措置」として停止に踏み切った。専門家の中には、各国は「感情や政治圧力に基づいて判断した」と、科学的根拠が得られるのを待ったFAAの対応を擁護する声もある。
国際航空運送協会(IATA)の予測によると、中国の航空旅客数は2020年代半ばに米国を抜いて世界最大となる。中国は国連の国際民間航空機関(ICAO)にトップを送り込むなど、航空規制分野で影響力の拡大を狙っている。
中国が今回、FAAの決定を待たずに運航停止に動いたことについて、米メディアは「中国は自国の規制当局の指針が世界標準になることを望んでいる」との専門家の見方を伝えている。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190318-00000013-jij-n_ame
2019-03-17 21:47:00Z
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